[HYDE]久々のライヴにファン歓喜!「よく頑張ったな!」と自粛生活に優しい言葉も

HYDEが2020年のライヴツアーをスタートさせた。2020年はタイトルを「HYDE LIVE 2020 Jekyll & Hyde」(会場:Zepp HANEDA)と定め、人間の二面性をジャンル違いに観せて5日間で構成。アコースティックデイ(Acoustic Day)を3日間(9月5日・6日・7日)、ロックデイ(Rock Day)を2日間(11日・12日)で構成した。

アコースティックデイのチケットは2種類。HYDEのファンクラブ有料会員がエントリーできた会場に参加(通称:参戦)できるチケット1枚22000円(グッズ付き、アーカイブなし)と、インターネット配信で参加できる一般チケット1枚4500円(アーカイブなし)の販売がSKIYAKI TICKETアプリを用いて販売された。当日の配信はSHOWROOM(視聴方法詳細こちら)で行われ、約1時間半のライヴでファンを魅了した。

Zepp HANEDAを2020年の最初の会場に選んだHYDE。その会場はHYDEに寄り添ってくれるかのような場所だった。会場に続く階段はHゾーンと名付けられている。そんな些細なことでも、ファンとしては、こじ付けて嬉しい。コロナ禍で東京だけGo To キャンペーンの対象から外れたとしても、HYDEが東京限定で会場チケットを売り、ライヴ開催することで、ファンの2020年の悲しみを癒してくれる。まずは東京開催を問題なく成功させ、続いて地方のファンに会いに行く見込みだ。

このレポートはアコースティックデイ9月7日の本編と、3日間のMCをまとめたもの[近日追加掲載の予定]となる。

18時に入るとカウントダウンが始まった。今まで培ったライヴのスタートシーンと同じ模様をカウントダウンに見せて、楽しい時間をファンの脳裏に呼び起こし、新しい空間へと惹き込んでいく。アコースティックギターとグロッケンがメランコリックなSEサウンドで会場を包み込む。コロナ禍の憂鬱に覆われた霧の中、漂う船。クルーにはHYDEスタッフ142人に加え、会場に参加できた幸運な東京在住のHYDEファンが着席して時を待つ。世界中から有料配信で参加するファンも画面の前へと集まった。暗幕に映し出される6:60の文字が、1つ、また1つ増え、6:66を指した。暗幕がステージ中央を境に手動で左右に開かれると、そこには2019年のライヴでも見慣れたNEO東京が現れた。ステージ中央には着席スタイルでカーキのコートフードを目深に被ったHYDEがヴォーカルを、ギターにはPABLO、ベースにはAli、ドラムにはかどしゅんたろう、キーボードにはhicoが姿を見せた。

アコースティックギターのイントロから始まった1曲目には「WHO’S GONNA SAVE US」。通称ナポリップと言われる、HYDEの唇をオーバーして塗りたぐられた真っ赤なルージュの口元から、穏やかに歌が紡がれていく。会場のファンからのコーラスは望めない環境下、ステージ上の楽器隊がコーラスを担う。“誰が俺たちを救ってくれるんだ”と訴えかける曲からのスタートに2020年のコロナ禍に全てを奪われた苦悩をぶつけて幕は開けた。

2曲目には「AFTER LIGHT」。今までのアコースティックライヴとはテイストが違う。そう感じられたファンは多かっただろう。ワイルドで渋さの滲む大人色のアコースティックライヴ。ヘヴィーなギターサウンドにミドルテンポ。ハードロックな面持ちだったANTIの曲がアレンジを変えて時代にまつわるやりきれない哀愁を抱えて戻ってきた。“答えは苦痛の先に”との歌詞からシャウトするHYDE。音楽が持つ人への癒し効果。気分の同調から徐々に人を癒していく効果は、この時代にいて必要なことだろう。曲の終わりに観客からの拍手が起こる。3曲目にはHYDEソロバージョンでの「UNDERWORLD」が自然と溶け込んだ。HYDEの右側に置かれたドラム缶は、フロアタムをドラム缶装飾した打楽器。右手に持ったマレットを振り下ろしてリズムを打つ。上に置かれたタンバリンが振動に揺らされ音を付ける。HYDEの歌にステージ上4人のコーラスが重なり、力強く共鳴する。絶対に、支え続けてくれるみんなで進みたいんだと、大きな岩を力づくで押し出すかのよう。エネルギッシュな1曲に歌われた。

曲の終わりにHYDEの肩にギターがかかる。最初のMCでHYDEは、「はい、いらっしゃい!今日も会えて嬉しいなぁ。羽田は周りに何もないですけれど、空港が近くていいよね。まだ中も綺麗でしょう?誰も使ってないもんね。今は何もないですけれど、きっと素敵な未来が待ってるんでしょうね、この町にも。みんなハミングできる?口開けずに喋れる?HYDEさん!って。ほら、練習したらできるんじゃない?後、足を鳴らすとかね。お茶の間も自由に、みんな色んなもんを駆使して楽しんでね。この3日間で、ボイスレコーダー使ったり、楽器持ってきたり、工夫して楽しめるようになってきたよね。さすが、僕たちならできるよな!だよね。凄いよ、みんな。今日はアコースティック最後ってことで、このアレンジも、もうなかなか聞けるもんじゃなくなると思うんですが、地方もチャンスがあったらやりたいと思っています。次はHORIZONっていう曲でね。辛い時に作った曲です。最後に矢を放て!ってね。どんな状況でも、真っすぐありたいなと思ったんだよね。嘘をついてまで勝ってもつまんねえなと思って。その方が、負けても後々、人生悪くなかったって思えるんじゃないかと思って。では聞いてください」と「HORIZON」を始めた。初期のHYDEソロの曲からの選曲だ。HYDEが紡ぐアコースティックギターにPABLOがサウンド添わせてトッピング。ツインギターでバラードを届けた。

5曲目には「OUT」ハンドクラップをhicoが煽る。HYDEは右手にタンバリンを持ち、右の太ももに当ててリズムを取った。“HEY! HEY!” “GO!”との叫びも、会場からの鳴り物アイテムでレスポンスが返った。続いてMCでHYDEは、「あっ!今日はタンバリン持ってきたの?」と会場に問いかけコミュニケーションタイム。「いつもだったら、この曲は頭の上を人がゴロゴロ通ってるでしょう?今日はそんなことないからね、安心でしょう?良かったね!(笑)どう?楽しんでる?騒ごうぜ!」と笑顔で語りかける。「ということでね、今日は黑ミサとは違うアコースティックコンサートをやっています。会場は(動員が)50パーセント。でも、悪くないんじゃない?見やすくて!良かったね。後、配信!お茶の間で、たくさんの人たちが観てくれています。もう、お茶の間は自由でいいんじゃないですか?全裸でもね、全然ありですよ。ご飯食べながらでも、お風呂入りながらでも、お酒飲みながら、あんなことしながらでもね。自由に楽しんで欲しいと思います。PABLOならどうやって見る?」と話をPABLOにパスを出す。PABLOが、「う~ん、完全に揃えますかね?自分が食べたいお摘み」と返すと、「あ~、パーティーみたいな感じ?湖池屋?」とHYDE。「そうですね、湖池屋派です」とPABLOのお気に入りを1つ明かした。

「そうそう、台風大丈夫?最近凄いのが多いよね。気候変わったのかな?何、気候に詳しいの?」とAliに話をパスするHYDE。「まぁ、色んな人が話してることを話してるだけだけどね、どうしても長い間に変わるのよ気候って。もう亜熱帯じゃない?もう雨もスコールだよね。そんな惑星になりました」とAliが話すと、「でも、コロナのおかげでね、地球環境的には良くなってるんだよね。いつもスモッグがかかってた場所も綺麗になったんだってね?」と、HYDEが受ける。その後、原発汚染されたロシアのチェルノブイリは、人が立ち入らなくなったため、今では動物がのびのびと暮らす場所に変化したことをAliが話した。コロナ禍でのライヴで、健康検査を受けたことも話す。「僕たち、このライヴの前にPCR検査を受けて、みんな陰性だったんだよね。2回やりました。唾液を出しまくってね、検査しました。陰性だからってそれで終わりではなくてね、このライヴ期間中も、気を付けて過ごさないとね。最新の注意を払って残りやっていきたいなと思います」と挨拶した。

「それでは次の曲です。このアコースティックをやる時に参考にしたのが、ニルバーナのアンプラグド。本当にカッコ良いライヴなんでね、参考にすることが多かったんですが、その中から1曲、みんなで話し合って決めました。聞いてください」と、6曲目には「Rape Me – Nirvana Cover -」を。ギターカッティングで始めたイントロに合わせ、HYDEが囁くように歌い出す。次第に声にはしゃがれた枯れ色やエッジボイスが合わさり、色気の香る成熟した大人な雰囲気を作り出していった。

7曲目には「MAD QUALIA」。「みんなのお手を拝借してもいいですか?」とハンドクラップレクチャーを始めるHYDE。座席番号が奇数の人はタンタンタンタンと16分音符を刻み、偶数の人はターンタッタッ・ターンタッタッと変則音符をその手で刻む。「これを同時にやりたいんだけど無理かなぁ。できる?」と、HYDEが告げると会場からハンドクラップが起きた。HYDEとファンとの普通の日常。ライヴの中でファンとセッションをしながら進む曲に、歌うHYDEの顔がほころぶ。8曲目にはhicoのピアノソロから「ANOTHER MOMENT」に入る。バラード調にアレンジされ、HYDEはスイートボイスで囁くように歌った。9曲目には「ZIPANG」。ギターにブレスを合わせた頭からの歌い出しに、hicoがキーボードを弾きながら片手でグロッケンも奏でてくる。かどしゅんたろうはウインドチャイムを揺らしてインパクトを付けた。10曲目には「SET IN STONE」。ラーガのようなオリエンタルなアレンジがされ、メロディオンも印象的な1曲に。HYDEはフロアタムを鳴らして拍を取りながら歌った。

かどしゅんたろうのドラムソロから入った11曲目は「LION」。会場に「叫ぼうぜ!」と煽りを入れ、“Ah!”と大きく叫ばせる。ファンと一緒にHYDEはタンバリンを鳴らし、セッションをして楽しんだ。曲が終わると「今日も燃え尽きた!俺、タンバラ―になろうかな?しかし、(打ちつける太ももが)痛いんだよね、これ。3日で良かったよ」と、HYDEが笑う。「なんかライヴって、純粋に楽しいなぁ。お茶の間も居てくれるしね、色々と問題はあるんだろうと思うけれどね…。俺は、(会場にファンが)居てくれた方がいいと思うんだよね。楽しんでって!」と3日間のアコースティックライヴの感想を話す。「リハ―サル最終日に、みんなで肉を食べたんだけど、その時に俺、顎関節症になっちゃってね、後半は(下顎を前に出して)アイ~ンの格好で最後まで居たの。すると、次の日は治ってたんだけど、首を寝違えててね…。それはまだ痛い…」とHYDE。Aliが、「ちょっとしたことなのに、半年ぐらい痛い時あるからね、寝違えると。顔がちょっとだけ斜めだったよ、ずっと」と体験談を話した。「レコーディングもしたんだよね。あれとか、これとか歌ったよね?」と、HYDEが話すと、「そう!あれと、あれと、あれと、あれね?」と複数曲あることを匂わせた。「これからどんどん出していこうと思ってるんで、楽しみにしててください。来年のアルバムに向けて、今やってます」と、HYDEから近状や新曲についての告知も入った。都庁の前で、東京マラソン2020スターターの時に演奏する予定だったのにコロナのことで無くなったよ、と残念がって入ったのは12曲目「BELIEVING IN MYSELF」。13曲目の「KISS OF DEATH」は、切なさに満ちた声色を歌にのせ、胸が締め付けられるような苦しみの表情で歌い上げた。

14曲目には、歌詞を間違えずに歌おうと「GLAMOROUS SKY」。歌詞が似て非なるものの連続となるこの曲で、前日には初のパーフェクトを出したと報告。しかし、今日の楽屋で何度か練習をしたものの、何度も間違えてしまい、1度も上手くいかなかったと暴露。会場もお茶の間も歌唱を見守る中、HYDEは1カ所詰まらせて苦笑い。曲の終わりにはHYDEが再びギターを肩にかける。15曲目には「l’m so happy」。「悲しい歌詞ばかり書いていた時期なので、遺書のような気持ちで書きました。死を意識するとね、その時に欲しいものだったり、好きなものが解る気がしています。死を連想することで、何が一番大事なんだろう、死ぬ間際ってこんな感じなのかなって考えながら作った曲です」と伝えて始めた。16曲目には「EVANESCENT」。時に身を捩りながら、歌詞をためながら、感情をのせて歌った。

17曲目には「EVERGREEN」。曲の紹介にHYDEはソロシングル1枚目のこの曲が2001年にリリースされたことを話し、来年で20周年になることを伝える。曲を作った当時のことを、ラルクは本当に凄いバンドだと思ってますと前置きを入れた上で、ソロをやらせてもらうことで自分だけの世界を、小っちゃくてもいいから創りたいなと思った。自分の思い通りに創れる環境も欲しかったと振り返った。この20年を長かったと振り返るも、いや短かったのかなと再び正す。色んな事がありました。だけど、こうやって今ここに立てて、自分は幸せ者だと思いますと語って曲に入り、しっとりとソフトにバラードを届けた。今回のアコースティックコンサートについて、アレンジなどについては、あまり深く考えずにリハーサルに入ったこと。みんなで案を出し合っていくと、次々にアイデアが溢れ出てきたこと。今までやってきた激しいライヴを本物と定義したとしても、スケールダウンすることなくカッコいいものに仕上げられたことを嬉しそうに語り、自分だけではこんなに豊かなものにはできなかっただろうと、気持ちを打ち明ける。本当に満足のいくコンサートに仕上げられたと感謝した。

「暫く、こういう状況は続くと思う。会場を50パーセントにして、配信をして。しかし、1つひとつを成功させていけば、ツアーもできるんじゃないかと思っている。ロックなアコースティックを地方でも開催できる日を楽しみに待っていて下さい」そうHYDEは告げて、18曲目「ORDINARY WORLD」に入った。スマートフォンのライトを付ける会場。そして、お茶の間。ゆっくりと左右にアーチを描き、HYDEの歌に寄り添った。一日も早く、普通の日常を取り戻したい。HYDEとファンが未来を夢見て繋ぐ一歩。水入らずでの久しぶりのワンマンライヴは、2020年の夏の夜、待ち人たちの心に、穏やかな炎を優しく灯して、幕を閉じた。

SETLIST 1Day 9月5日

01.WHO’S GONNA SAVE US / 02.AFTER LIGHT / 03.UNDERWORLD / 04. HORIZON / 05.OUT / 06.Rape Me – Nirvana Cover – / 07. MAD QUALIA / 08.ANOTHER MOMENT / 09.ZIPANG / 10.SET IN STONE / 11.LION / 12.BELIEVING IN MYSELF / 13.KISS OF DEATH / 14.l’m so happy / 15.EVANESCENT / 16.EVERGREEN / 17.ORDINARY WORLD

SETLIST 2Day 9月6日

01.WHO’S GONNA SAVE US / 02.AFTER LIGHT / 03.UNDERWORLD / 04. HORIZON / 05.OUT / 06.Rape Me – Nirvana Cover – / 07. MAD QUALIA / 08.ANOTHER MOMENT / 09.ZIPANG / 10.SET IN STONE / 11.LION / 12.BELIEVING IN MYSELF / 13.KISS OF DEATH / 14.GLAMOROUS SKY / 15.l’m so happy / 16.EVANESCENT / 17.ORDINARY WORLD

SETLIST 3Day 9月7日

01.WHO’S GONNA SAVE US / 02.AFTER LIGHT / 03.UNDERWORLD / 04. HORIZON / 05.OUT / 06.Rape Me – Nirvana Cover – / 07. MAD QUALIA / 08.ANOTHER MOMENT / 09.ZIPANG / 10.SET IN STONE / 11.LION / 12.BELIEVING IN MYSELF / 13.KISS OF DEATH / 14.GLAMOROUS SKY / 15.l’m so happy / 16.EVANESCENT / 17.EVERGREEN / 18.ORDINARY WORLD

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